あるロシアの厩舎では、牛にVRを装着させるというユニークな方法が実施されており、その理由はなんとVRで牛の不安などを減らして牛乳の生産率を上げようという作戦だ。ある科学の研究では、実際にVRを使って牛の不安を解消し、自由を与えると牛乳の生産率が上がるという結果が出ており、今回ロシアで実際に実験を実施する事になったのだ。

牛は1日に４回までミルクを絞る事ができるのだが、福祉関係の理由でほとんどが１日２回までにしているそう。１日のうちにたくさん絞れば絞るほど牛に負担になり、健康にも問題を及ぼしかねないそうだ。

牛を飼っている側からしたら１日にできるだけ多くミルクを絞りたいが、牛の健康も大切で牛が病気などになってしまったら元も子もない。そこでこのVRを使い牛のからだ、精神状態を健康に保ちよりたくさんのミルクを絞ろうという事なのだ。

なぜロシアかというと、ロシアの厩舎がある地域では１年中ほとんど寒く、景色もずっとグレーという事で、そういった状況でも牛は大丈夫だがミルクの生産率に影響しているのではないかという疑問を解決するための実験だ。

牛が装着しているVRの映像は３６０度夏の青空に太陽と緑の草原という、いつもとは正反対の景色が流れている。牛もムード・精神・健康状態が上がったり下がったりするが、これまで音楽、友達とのふれあいで紛らわしていた事を今ではVRでも気分を変える事が可能となったのだ。

特に牛は出産をした後すぐに母と子を分けてしまう為、そういった状況で母親が感情的に不安定になってしまう傾向がある。そういった状況で不安などを取り除く助けになるのではないだろうか。

また、科学者が動物の感情・精神などのつくりをもっと研究する事でより効率的な収穫が可能になるのではないだろうか。また、このまま世界の人口が増え続けていくのであれば、２０５０年までに食べ物の需要は今の１００倍にまで膨らむと言われている。乳製品や赤身の肉を消費する人が減っていってはいるが、これからも動物だけでなく他のものを元にした栄養のある食べ物を発掘し日常生活に取り入れていかなければならないのではないだろうか。