アメリカのノースカロライナバーチャルアカデミーという幼稚園から高校までのオンライン教育機関がアメリカ時間6月12日 水曜日に初めてバーチャル卒業式が行われた。伝統的なアメリカの卒業式のようにガウンを着てステージで卒業証書授与をして、タッセル(帽子についている紐のようなもの)を右から左に動かす行事をするので一見通常の卒業式のように見えるのですが、この高校では一つユニークな点があったのです。
ノースカロライナバーチャルアカデミーは上記に記載した通りオンラインスクールなため、なんと皆さん顔をあわせるのがこの日の卒業式で最初で最後だったのです。今年度の来賓に対する歓迎の辞を述べる卒業生ワイアットは、オンライン上ではクラスを共にしていた人もいるものの卒業式に自己紹介をするという新鮮な状況にわくわくを隠せない様子だったそうだ。また、彼は振り返るようになぜオンラインスクールに通う決意をしたかなどのスピーチをした。
ワイアットは高校生活での人間関係が苦だったためオンラインスクールに転校する事を決めたのだが、それは人生での一番の選択だったと振り返った。実際に高校に通っていた時期は人間関係にあきあきしており精神的に疲れて何もする気になれなかったが、オンラインスクールに通い始めてから周りの人間を気にせずにストレスフリーで、これまで以上にアクティブに健康的な学校生活を送る事ができたそうだ。
この学校は2015年に設立されてから初めてフル(アメリカの高校は4年制)で入学から卒業までを過ごした学生を送り出す記念すべき年だった。校長は、伝統的なスタイルで高校に通うという選択肢だけでなく、オンラインスクールといった新しい選択肢でそれを必要としている人々に私たちのサービスを広めていきたいと語った。
今回の卒業生は58人だったが、新しい高校の新入生が530人で幼稚園生から高校生まですべて合わせた在学生の数はなんと2880人にも及ぶ。開校からたった4年でこれまでの人数が集まるという事は、人々はこれまでの伝統的な学校のシステムではない、新しい選択肢を求め始めていると言えるだろう。