写真にある男性はバーチャルリアリティ(以下VR)のヘッドセットを装着し、トレーニングを受けているウォルマートの従業員。VRからカスタマーとのやりとりや勤務中に使うデバイスの使い方などの新人教育に役立つシナリオが流れ、そこから実際に現場に立てるように教育を受ける仕組みになっているようだ。
VRがこのような新人教育などに使われるのは全く新しい導入となり、世界一大きい小売店ウォルマートはこの導入をペンシルベニア州からアメリカ全体にまで広げる見通しを発表した。
体験者のアダム氏はVRを使ったトレーニングについてこう語った。
テクノロジーを正しい方向に使うとはこういうことだと思う。今まで新人教育にはマネージャーが付きっ切りで1から教えるという効率の悪い方法しかなかったが、VRなら人件費の削減にもなるし、機械から教われば情報の漏れもないしかなり便利なツールだと思う。
また、ウォルマートに20年以上勤務しているトレーニングコーディネーターのエイミー氏はこう語った。
私が働き始めた頃は大量の書類とコンピューターで一人一人時代遅れな方法でトレーニングしてたけど、画期的なVRができて楽しみだわ。
私もそうだけど、ほとんどの人が実際に行動することで学ぶと思うの。
導入を決めた者の理由としては、VRを使うことによってシナリオが流れ、実際にその場にいてトレーニングをしている状況を作れるため、体験から記憶に植え付けることにより今までの方法よりも効率的に学ぶことができるからだそう。
このウォルマートの新しいVRトレーニングの導入により見受けられることは、アマゾンに対抗しているということ。今や世界一のイーコマースプラットフォームとなったアマゾンに市場シェアを奪われがちな路面店だが、それに負けないような従業員のカスタマーサービスや今まで通りの低価格、そして配達といったシステムで対抗していくのであろう。
ウォルマートは今年中にペンシルベニア州内のウォルマート全てでVRトレーニングを終了してアメリカ全土に広げていく予定だそう。
VRはトレーニングだけではなく商品をその場でスキャンし、お会計を済ましすぐにレシートまで渡せる仕組みとなっている。
外で花を買おうとしているお客様に対してわざわざ店内に入り、花のためだけに長い列に並ぶ必要性がなくなり、カスタマーにとっても利便性の高いVR技術となっているそうだ。
また、オンラインでの食料品購入を済ましお店でピックアップするシステムの向上にも目を向けているようで、商品ピックアップの際にはお客様が車から降りずに商品を受け取れる、又は彼ら専用のパーキングスポットを用意するなど時代に沿ったニーズに変更をして言っている様に見える。
その他ウォルマートが提供する画期的なシステムといえば、”ピックアップタワー”という大きなハイテク自動販売機の様なもの。
まずオンラインでピックアップしたい商品を選び、その商品が希望店舗になかった場合でもピックアップタワーに持ってきてくれてそこで商品受け取りが可能になったら通気が来るシステム。そしてバーコードをスキャン後に商品を手元に受け取れる。
このシステムでさえすでに画期的で便利だが、2019年内にアップグレードしたピックアップタワー情報がでるそうだ。
また、ウォルマートはトラック運転手への賃金引き上げを発表し、今月から開始されるそうだ。1年目の給料で$87,500(960万円)、距離で換算すると1マイルにつき90円ほどになる。
今現在いる8000人以上のトラックドライバーの平均運転距離は1年間で7億マイル。運転手になるには運転経験や、事故歴など確認したい点は何個かあるが仕事をしながらアメリカ中の景色を見れるのはクールな気もする。
新たな画期的な企業が次々と誕生していっている今の世の中、すでにある企業等は時代に合わせて成長していくか、新しい発明に潰されていくかといった厳しい状況なのではないだろうか。